【日本での幼稚園体験】4歳の息子と過ごした、心に残る1週間 ~東京・世田谷編~
- Edoory Kids Japan
- Oct 8
- 8 min read
旅行と教育を兼ねた日本幼稚園体験記
1 はじめに…
「日本で幼稚園に通ってみる」って、実際にどんな感じなんだろう?
海外で子育てしていると、一度は気になるテーマかもしれない。私も最初は、正直「短期間で幼稚園に入れるなんて本当に可能なの?」と半信半疑だった。
けれど今回、4歳の息子が東京・世田谷区の幼稚園に1週間通うという機会をいただいて、結果的に私たち家族にとって「旅行と教育がつながる忘れられない経験」になった。
ここでは、息子の体験談をメインに、その中で感じたことをありのままに書いてみたいと思う。これから子どもに幼稚園での異文化体験をさせてみたい人や、日本での教育に関心がある人の参考になれば嬉しい。

2 世田谷という街での暮らし
今回の体験場所は、東京・世田谷区。
子育て世代にとても人気のある街で、公園が多くて自然にも触れられるし、治安も良い。駅周辺には商店街やスーパーもあって暮らしやすく、親としても安心して子どもを預けられる環境である。
都会にありながら落ち着いた住宅街が広がっていて、息子と歩くだけでも気持ちよかった。小さいけれど美味しいパン屋さんがたくさんあって、グルメも楽しめる。
滞在中に見つけた小さなコーヒーショップは、お気に入りの場所になった。
観光だけではわからない「東京での子育て」を垣間見ることができたのも、この体験の魅力のひとつ。
3 出会った幼稚園
今回お世話になったのは、創立数十年の歴史ある公立幼稚園。住宅街の中にひっそり建っていて、見た瞬間から「地域に根づいてるんだな」という温かさを感じた。
建物自体は決して新しくはないけれど、どこも丁寧に手入れがされていて、長い時間を経てもなお清潔で心地よい空間だった。廊下の木の床は磨き込まれてツヤがあり、遊具や机も大事に使われている様子が伝わってきた。日本らしい「物を大切に扱う文化」を肌で感じられる場所だったと思う。
敷地内にはプールもあって、子どもたちが夏を思い切り楽しめる環境もしっかり整っていたのが印象的だった。息子も「明日はプールあるかな?」と毎晩楽しみにしていた。
さらに、体験入園の期間中には、子どもたちと親が一緒になって取り組んだ藍染め作品が園内に展示されていて、それがまた美しく、まるで小さな美術館のようだった。息子もその展示を前に「すごいね」と目を輝かせていて、園全体が子どもの創造力を大切にしていることが伝わってきた。
体験入園にあたっては、園からは特別なユニフォームを貸してもらえた。
帽子やバッグまで揃っていて、息子は初日からすっかり「幼稚園の子」の顔に。鏡の前でポーズを取る姿に、私まで嬉しくなった。

4 初日のドキドキと意外な変化
最初の登園はやっぱり緊張していた。初めての場所、友達ができるかどうかも心配だった。私自身も「大丈夫かな…」と胸がざわついていた。
でも、その不安はすぐにやわらいだ。先生が一人ひとりの気持ちに寄り添うように話しかけてくれたおかげで、息子も安心してクラスに入っていけた。最初は小さな声で返事をしていたのに、少し経つと笑顔が増えて、自然と周りの子たちとも遊びはじめた。
クラスは15人くらいで、ちょうどいい人数感。
お友達の輪にもすぐに溶け込み、気づけば一緒にブロックや鬼ごっこを楽しんでいたらしい。家に帰ると「今日は〇〇ちゃんと遊んだよ!」と、初日から友達の名前を誇らしげに話してくれたのが印象的だった。
帰りのお迎え時にひっそりと教室の中を覗き込むと、隣に座る子と仲良さげに話している様子を見て、ほっと胸をなでおろしたのを覚えている。
そして何より嬉しかったのは、息子が大好きな工作に思いきり取り組めたこと。
園では生活のルールがありつつも、子どもたちの「やりたい!」を尊重してくれる雰囲気があった。紙や段ボール、色とりどりの画用紙に囲まれて、自分の世界を広げていく時間は、息子にとって夢中になれる瞬間だったようだ。
毎日たくさんの「作品」を持ち帰り、何を作ったのか、先生やお友達とどんな風にその時間を過ごしたのかを話してくれた。そんな姿を見て私も胸がいっぱいになった。

5 小さな挑戦と成長
園での生活は、「遊び」と「学び」がとても自然につながっていた。毎日の中に、子どもなりの小さな挑戦や発見がちりばめられていて、それが一つひとつ息子の成長につながっていたのだと思う。
例えばユニフォームのボタン。
最初は手間取っていたけれど、毎日つけたり外したりを繰り返すうちに、体験入園の期間が終わる頃にはすっかり自分でできるようになっていた。
ほんの小さなことかもしれないけれど、子どもにとっては大きな自信につながる瞬間。そんな姿を見ていると「やればできるんだ」という気持ちを育ててもらっているんだなと実感。
園庭は都会らしく決して広くはないけれど、そこにある一本の大きな松の木が、息子にとって最高の遊び相手だった。落ちている松ぼっくりを拾っては大切そうに持ち帰り、水で洗って並べて、気づけば家にはバケツ一杯の松ぼっくりが集まっていた。
松ぼっくりを見るたびに思い出すのは、夢中で遊ぶ息子の笑顔。広大な自然がなくても、子どもにとっては身近なものが十分に「宝物」になるんだと感じさせられた。
ある日には、園で育てているミニトマトが収穫の時期を迎え、息子もその収穫に参加させてもらい嬉しそうに抱えて帰ってきたことがあった。自分で収穫したことを誇らしげに話し、その日の夜は「おいしい!」を連発しながら何度も口に運んでいた。
「自分の手で育てて、自分で味わう」という特別な意味を、子どもたちに教えてくれたのだと思う。

6 日本の文化に触れる毎日
印象的だったのは、園での挨拶の習慣。
子どもたちは先生の前に立って、「おはようございます!」「さようなら!」と元気いっぱいに声をそろえる。息子もそれを見よう見まねでやるうちに、自然と体に染み込んでいった。
ほんの数日の体験でも、人と人との関わりを大切にする姿勢を学んだのは大きな収穫だったと思う。こうした小さな積み重ねが、日本ならではの教育文化なんだと感じた。
園の外でも、日本らしい文化にふれる時間がたくさんあった。
ある日は、ひいおばあちゃんと一緒に初めてのあやとりに挑戦。細い糸を指にかけながら、「次はこうするんだよ」とゆっくり教えてもらい、できた形に目を輝かせていた。昔から続く遊びが、世代を超えて伝わっていく瞬間に立ち会えたのは、親子にとっても貴重な体験だった。
休みの日には日本のお祭りにも行ってみた。
大きな掛け声とともに進むお神輿を見上げ、屋台ではカラフルなかき氷を食べて「冷たい!」と笑う息子。夏空の下で、活気に包まれたお祭りの雰囲気は、まさに日本の夏そのものだった。
そして夜には、初めての手持ち花火。小さな火花をじっと見つめながら「きれいだねぇ」とつぶやく息子の横顔に、私自身も心を動かされた。
東京ならではの体験もあった。
地下鉄に乗って出かけたり、高層ビルが立ち並ぶ景色や、静かな住宅街の風景を眺めたり。ひとつの街の中にいろんな顔があることを、一緒に出掛けながら感じられたのも印象的だった。
都会的な東京の姿と、地域に根づいた幼稚園での生活。その両方を体験できたことで、日本の多様さや奥行きを、息子なりに感じ取ってくれたように思う。
短い滞在だったけれど、日本の幼稚園での学びや文化体験は、日常の中にしっかりと息づいていて、それが子どもの心にも自然に残っていった。親としても、日本ならではの良さを改めて見つめ直すきっかけになった時間だった。
7 最終日とその後…
体験の最終日、息子は笑顔でこう言った。
「また日本に来たら、この幼稚園に通うんだ!」
その言葉に、1週間の充実ぶりがすべて表れていた。
タイに戻って1か月ほど経った頃、実家宛に園からハガキが届いた。
「元気にしていますか?また遊びにきてくださいね。」
たった1週間だったけれど、息子にとっても私にとっても、心に残る温かいつながりができた瞬間だった。

8 特別な旅の思い出 - 旅行と教育がひとつになる体験
今回の日本での幼稚園体験は、ただの旅行では決して味わえない特別な価値があった。
日本の子どもたちと一緒に過ごす異文化体験、小さな挑戦を通して見える成長の瞬間、そして夏休みや冬休みといった長期休みにぴったりの子ども体験。
これらがすべて組み合わさって、旅行と教育がひとつになった、家族にとって忘れられない時間になったと思う。
息子が毎日笑顔で幼稚園に通い、新しい友達と遊び、少しずつ自分でできることが増えていく様子を見て、親としても胸がいっぱいになった。旅行先でこんな体験ができるなんて、想像以上に豊かな時間だと感じた。
もし「うちの子にも日本でこんな体験をさせてみたい」と思ったなら、Edoory Kids Japanのサポートをぜひ検討してほしい。現地の幼稚園との調整や、短期入園に必要な手続きは、海外からだとハードルが高いけれど、すべて安心して任せられる。親は子どもを見守るだけで、子どもはのびのびと体験を楽しむことができるのだ。
私たちが世田谷で感じたあの温かさを、次はあなたのお子さんにも体験してほしい。
教育としての価値と、家族旅行の思い出を同時に手に入れることができる、世界に一つだけの特別な旅を、ぜひ試してみてほしいと思う。
Comments